映画館上映中にどうしても見ることが出来ず今までずるずると。ようやくAmazonプライムで見ることが出来た。
「みなに幸あれ」は上映期間中も賛否両論の声をよく聞き、それによってホラー嫌いのボクも好奇心を駆り立てられたのだが、今回鑑賞後改めて皆さんの評価を見ると思いの外低く残念に思った。
といいつつ、ボクも絶賛していいとはいわないが。(どっちやねん!)
感想文を時系列で上手にはかけないが思いつくまま書いていきたい。
映画全体で突っ込みどころがあったところで大筋で制作者側の意図がしっかりしていて、伝わればいいんじゃね。極論。
監督さんや製作者側のこの映画に込めただろう思いや気持ちは伝わってきた気がするので、その辺りは大根役者がいたところで大いに好感の持てる映画だとボクとしては受け止めている。
「ミッドサマー」をあれだけ絶賛し、受け入れた日本人がこの映画が受け入れられないのはある意味象徴的な気もする。なぜなら「ミッドサマー」も不条理を多く取り入れ、日常とかけ離れたところが舞台でありながらも、個人の幸せとコミュニティーの平和がテーマであり、家族と個人、女性として、とこの映画に通じるテーマが多く、異なる部分はこの映画は主人公が現代社会に今の我々同様溶け込んでいく姿を描いているところ。
つまり、我々自身の現在の日常の姿だからだ。
映画の最後では「幸」を受け入れた主人公が白々しい幸せそうな笑顔を浮かべ奇麗な整然とした住宅街へと足を踏み入れ「幸せなんだもの」といってのけるのは、現在の我々に通ずるものがあり、製作者側はむしろここから映画作りを始めたのではないかとさすらボクには思えるのである。
日常に潜む隣にある犠牲に気づかない事こそ、ホラー。
ではないか。
捧げものとして監禁されるものは、目や口を縫われているのは言わざる聞かざるの象徴のようなモノ。現代社会でも何も知らなければ、何も言わなければ社会から損をしたり、社会から利益を得たりすることが出来ない人々が多い。そんなことをも象徴しているかのようだ。
社会層の中で助けを必要としている人は、情報が必要だったり、ちょっとした手助けが必要でそれがないために受けられる補助が受けられなかったりするが、一方で社会の中では「手助け」と称し仲間内で情報を分け合い、仲間だけで必要なモノを分配しあう人たちもいる。
これらの悪しき慣習を理解し馴染み、対応することが「大人になる」ことなのだろうか。良きことなのだろうか。
お婆さんになっても次の悪弊を生み続け、周りもそれを何とも思わない環境こそ異常なのに、異常を異常と思えない環境が出来上がってしまっている。
まともな人が山にこもるか、自ら犠牲になるか、普段なら異常な道を選ばざるを得なくなってしまっている環境。まさにホラーである。
他人に勝手に家に入ってこられ冷蔵庫の中を見られた挙句、整理の仕方を軽く批判されたような気分になったことがあるだろうか。
ボクはないが、想像するにそんな嫌な感じを指摘されたような気になったのではないだろうか。この映画に対していい感じを覚えない人は。
最後に、主人公役を演じた古川琴音さんの演技は素晴らしく、作品を数段上のものに仕上げる作用を果たしていたのは間違いない。一般の映画に対する評価は残念な評価が多かったが彼女に対する評価は概ね高く、そこは正当に評価されているようで身内でもないのに変に安心した。(何様?)
***Summarizing the overview using LLM.***
“I finally got around to watching ‘May Happiness Be with You’ on Amazon Prime. Despite the mixed reviews, I found myself appreciating its underlying message. It’s like a darker, more domestic version of ‘Midsommar’. Both films delve into the unsettling underbelly of seemingly idyllic communities, exposing the sacrifices we make for the sake of belonging.
The ending, where the protagonist embraces a seemingly perfect suburban life, is both chilling and thought-provoking. It’s as if the filmmakers are suggesting that true horror lies not in supernatural entities, but in the mundane horrors of everyday life. The film’s critique of societal norms and the pressure to conform is spot on.
While some viewers might find the film’s message too bleak or the ending too ambiguous, I appreciate its willingness to confront uncomfortable truths. And let’s not forget Fukunaga Kotone’s stellar performance. She truly elevated the film.”
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