遅ればせながら録画していたロンドンのトゥイッケナムスタジアムで行われたラグビーワールドカップ(以降RWC)の前哨戦となる「オールブラックスvsスプリングボックス」のテストマッチを観た。
オールブラックスは、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)で優勝し、復調したはずなのに歴史的大敗をこの試合で記録してしまった。
敗因の理由は、カードの多さとLOスコット・バレットのレッドカードをあげられているが、そもそも何故カードを出すほど規律が守られなかったのか、だ。しかも、この時期に。
南アのサードローの圧力がえぐかった。
一つは、これに尽きる。
出だしからNZは南アの猛攻を凌いでいた。ただし、相当必死だったし、苦しそうだった。確かにかなりの時間の猛攻を耐え忍んだのは素晴らしいがNZにしてギリギリであり、ここでの体力消耗は、精神力の消耗にも影響しただろう。
南アをキックで背走させるシーンも少なく、たぶんそこから南アの戦術は始っていたのだろう。NZのロングキッカーにキックをさせない。
NZお得意の早いタップパスは決まるとトライに結び付くが、プレッシャー下のタップパスはミスにつながりやすい。主導権を持ったパスをさせるのではなく、プレッシャー下でさせるようにすればミス、及びインターセプトのチャンスも生まれる。
アーロン・スミスはレジェンドだ。
今も素晴らしい。
ただ、現状の試合では使い方を考えないといけないと思う。全盛期は残念ながら終わってしまっている。
FWでギリギリの力差の中、ハーフの役割は大きい。
今回の試合でハーフが決して失敗しているように見えないが、パス回ししてるなかでセンター辺りで圧倒的なプレッシャー下にあるので、もはやロングキックの名手を持ってきても使えない状態になってしまっている。一つ下げてフルバックからのロングキックを何故試さなかったのか。オールブラックスならよくあるパターンなのに。
ここでの圧力もサードローだ。
むしろ、弱点というか南アの良かった点の方が目立ったのが今回の試合。
サードロー、ハーフ団、新人センター君、両ウイング、みんなヤン!
そのために背走させるロングキックが必要なんじゃないの、って話。
背走させることが出来ればそこでのラックなりモールの威力は弱いからプレッシャーも軽くて済む。
はず。
或いは、ハイパン。
スコット・バレットの話に戻すが、彼以外にFWの覇気のNASAに驚いた。バレットが可哀そうだ。RWCの戦い方として、この試合を落としてもいい試合として初めから取り組み、バレットだけが孤軍奮闘したのだろうか。(やり方が間違っているのは残念)そんな戦略ならいらないし、ラグビーのようなハードスポーツではRWCイヤーは試合数が多いのではないだろうか。
まもなく2023年のRWCが始まる。
結果として、この試合が結末にどのような影響をもたらしていたのか、全く影響なかったのか、見守っていきたい。
RWCは楽しみだが、誰かの金のため、誰か特定の人の得のためだったら要らない派である。オリンピックしかり。
ではでは。