映画自評:「バービー」はタイトルで観る人を試しているのかもしれない

「正人」の日記

心が歪んでいるのでしょうか。
タイトルを聞いた当初からこの映画を観る気がしませんでした。
どんな映画かも調べもせず。
先入観です。
偏見が始まる最初の第一歩。先入観。

まさにこの映画の様々なテーマの一つにもつながる人間性をボクは曝け出してしまっていたわけです。

映画「バービー」はとても複雑な映画だと思いました。様々なテーマを盛り込み、最近の映画にありがちな「制作側の正解」を明示せず、シニカルで、米国映画なのに自己批判的であり、なのに絵面はポップ。
過去にない例です。

ツイッターで次第に「バービー」がオモシロイと話題になり始め、ちょっと気になりチェックしたら、意外と思ったような幼児的な内容ではなさそうだということがわかり、騙されることも必要と思い観に行くことを決めました。上演期間が最初の頃ならともかく最近になら人も少ないだろうと思いきや平日にも関わらず思った以上にお客さんがいたのには正直驚きました。
皆さんの中には、リピートしてる人もいるのかな。

スーパーヒーローのマーベル映画が飽きられつつ今、その逆を張る形になっているのがこの映画でしょう。
マーベル映画のヒーローたちもさぞかしバービーが羨ましいんじゃないでしょうか。

映画「バービー」の中では様々なテーマが盛り込まれていますが、アイデンティティの問題も提示されています。様々なバービー、様々なケン、と。
現実の我々社会に照らし合わせても暗示的です。仮に名前を変えたら、アイデンティティが出来上がり、差別化されるということなのでしょうか。我々は名付けをこだわったりもしますが、大事なのは生き方です。
現在日本でも相変わらずキラキラネーム的なモノがあるそうですが、よくよく考えてもらいたいものです。

話が逸れてしまいそうになりました。
映画「バービー」には様々なテーマが盛り込まれているところが良かったところの一つだと思います。観る人によってその人に響くポイントが異なり、皆で楽しく話し合えるのはいいものです。
また映画自体が「問題」を深刻に提示しているのではなく、コミカルにアイロニー的に扱っているのもいいのでしょう。
そして、いくつかの「謎」を残す部分も・・・。



作り手の相当な「作戦」が入り組んだ映画「バービー」は色々な年代の方々に観てほしい映画です。
皆さんにお勧めします。

ではでは。

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