マグさんの音楽紹介であるバンドのCDジャケットにフリオ・ロメロ・デ・トーレスの「幸福の寓意」が使用されていることから、ある記憶がよみがえった。
「フラメンコ・フラメンコ」での出演していたマノロ・サンルーカル場面で背景にこの絵画が使われていたのだ。
当時、マノロ・サンルーカルを知らなかったボクはこのサンルーカルの演奏の部分だけを繰り返し繰り返しビデオで再生し見ていた。
映画全体に感銘を受けたのだが、特にサンルーカルの演奏の部分に関しては何か心揺さぶられるものがあり、飽きることなくそれこそテープが伸びるほど繰り返し再生した(ハードディスクだったが)。
フラメンコギターの巨匠で、ビッグスリーに入るほどであり、最近亡くなったと聞きいたのは最近だ。
ギター技術のことは良くは分からないが、強調するテンポから流れるようなテンポへと移るくだりは何度聞いていても飽きないし、指使いも見ていても美しい。彼の音楽に没入する姿と周りとの協調はまさに芸術と言えるもので、何度も言うが飽きを感じない。
調和。
そこにある全てとの調和が素晴らしい。
かつて、スペインで生のフラメンコを2つ見たことがある。正統派とジプシー系と、だ。
それぞれに感銘を受け、それ以来フラメンコには注目をしている。
正統派を見た時に男性の踊りの逞しさ、激しさ、女性の踊りにない魅力を肌で感じ踊りにも興味を持った。また、ライブでの演奏者全員での協和性。互いのその場での音合わせの妙。これはライブ、小さい箱ならではの経験だろう。
ジプシー系のフラメンコも穴倉のようなライブハウスでのシンプルな会場での鑑賞。ダンサーが間近まで来て衣装が座るボクの膝に触れ合うまでの距離感が緊張を感じ、ギターのピッキングの音が耳に響く。ジプシー風のカンタオールの嗄れ声がまた街で聞いた音と異なり、オモシロイ。
映画「フラメンコ・フラメンコ」はスペインの一流どころ、最先端を見せてくれる。観ていない人は必見だ。スペイン好きも是非。
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