吾輩は、セルカーレックスという種の「殿下」である。
「殿下」という名なのに女子である。見た目からその名をつけられた。
あと、飼い主がPRINCE好きという理由が大きい。
よって、呼び名は「デンカ」「デン」である。
という風に書き出しを古典的にしたのは、以上のように彼女が古典的、権威的な素質がある故である。
うちのデンカは、うちに来て13年ほどになる。人間でいう68歳だそうだ。そこまで高齢には見えない。とはいえ、彼女は昔から活発とも言えない。
昔飼っていた猫は、外猫で好き放題である意味猫らしくやりたい放題だった。自分のペースを絶対に守る、そんな猫だった。
片や、デンカは家猫らしく和を貴び、無茶なことをしない、利口な子で、たまに粗相をする程度。
なんか、猫にも現代っ子って言えるものがあれば、それがデンカだ。
猫にもいろいろタイプがあり、誰でもスリスリ系、誰でも引っかき系、様子見系、臆病系などなど。うちのデンカは、極端なほどの臆病系だ。
うちの家族でも誰も抱っこなどできない。雷が鳴ったときなどどこに隠れたか分からないほど隠れる。他人が家に来たら隠れる。宅配のピンポンで隠れる。
そもそもデンカは、娘が中学時代に引きこもりかけた時に「友達に」と飼ったつもりだったのだが、結局娘には懐かず、「ボクの猫」というスタンスを現在まで保っている。
それでいいのか? デンカ?
猫の睡眠時間は14時間ほどだという。自分が見てる限りほとんどの時間寝ている。彼女はあまり遊びたがらない。寝そべっていることが多い。もちろん、家猫である。
そう言えば、彼女が若い頃は高いところに登ったり、窓の外をずっと見る回数が多かった気がする。やはり歳をとったのだろうか。
記事にあるように不活発な造作が増えるなどうちのデンカにあてはまるのかもしれない。
刺激が少ない彼女の人生で一体何が一日の中で楽しみがあるのだろうか。
食事もそんなに貪欲ではないし、人へのスリスリ度も頻繁ではない、下界への関心も少ない、新しいおもちゃへの関心も少ない、テレビなぞ全く見ない。
彼女の人生は、そう長くもないだろう。長くもできるだろう。
でも、その質をどうしてあげたらいいのかよく分からないのが正直なところだ。
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