映画

「正人」の日記

映画自評:「哀れなるものたち」の原題「Poor Things」の「Things」への想い。

エマ・ストーンさんは相当な野心家だとこの映画を拝見して思った。 なぜなら製作での金銭面でかなり深く入り込んでいるばかりでなく、俳優のキャスティングや脚本にまで立ち入っているというではないかい。 名声は既に手に入れている。 お金ももちろん。 彼女が必要としているのは、映画芸術での満足や世間に対する主張なのだろう。
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映画自評:自分の感性で素直に「枯れ葉」と対峙してみた。感動する?

噂の「枯れ葉」を観てみた。 正直に言うと観る選択肢になかったのだが、2023年度末になると皆さんが行う今年のベスト10にこの映画が入っているケースが散見されたので、とにかく一度観てみようと思い直し観に行ったのだ。 日曜日のミニシアターだったが、それなりにお客さんが入っていた。皆さん、口コミ客なのだろうか…。
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映画自評:死者と共のロードムービー「葬送のカーネーション」

ここ最近移民関連の映画に縁がある。 「葬送のカーネーション」が移民に絡んでとは知らずに映画館に足を運んでいたのだ。何かあるのだろうか…、まあいい。 さて、この映画の大きな特色としては、主な登場人物が語らず、大事なことは周りが語って済ますこと。ドライバーであったり、ラジオであったりと。とにかくメインの二人は無口。そして西洋的な基準で言えば、表情豊かとは言えない。
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映画自評:「ニューヨーク・オールド・アパートメント」は人間の欲と醜さが表出しているが、希望もある

シネ・リーブル神戸に「ニューヨーク・オールド・アパートメント」を観に行った。内容について何の事前情報なしに映画を観たが、結果的に「ブルー・バイユー」系の映画に他の要因が加わった形の結構複層的な構成の映画だったなと思い、後後調べてみると監督は、この作品で初長編作品デビューと知り、更に驚いたところである。 構成なんか斬新でとても新人とは思えない!
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映画自評:「パーフェクトデイズ」は、各々の感性に素直に従ってみる映画だと思う

昨年度の暮れからパーフェクトデイズの噂をSNSで度々目にするようになり、初めは見るつもりがなかったがこれ程噂になるようなモノであれば一度見ておこうと思い、観に行った。平日だったが満員御礼だった。 恋愛で何であれ、人の直感とは結果から見ると頼りになるものだ。見ることを迷っていた自分の直感は、自分の価値観からすれば間違っていなかったからだった。以下ネタバレを含む…。
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映画時評:「雪山の絆」は映像的・内容的には高評価。エンディングは好みアリ。

副題に「実話に基づく奇跡の物語」とあるように知っている人は知っている有名な話である。昔の話と言えど。 正直言うとあまり見るつもりはなかったが、時間があったからチケットを買った。そしたら、ミニシアターだったが、観客一人だった。狭い館内だが独り占めして観て、結果は満足できる映画だったと言えよう。 なぜに、人気がないのだろうか。多分、タイトルが悪いのだと思う。ダサい。
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映画時評:春画ドキュメンタリー「春の画」は、改めてアートとエロスが技術の革新を生むことを確認

春画ドキュメンタリー映画を京都出町座で観た。 お勧めだ。 なぜなら、既成の概念を覆させられること間違い無しだからだ。 アナタが専門家なら確認事項に終わるだろうが。 春画のイメージがエロスであることには間違いない。そして、そこにアートの要素が絡んでいることを知っている人が少なくないのも大方の理解通りだ。
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関西のミニシアター王に決定! と勝手に出町座を認定してしまいました!

ミニシアターでの映画鑑賞が好きだ。 映画館で映画を観ると言えば、半分以上がミニシアターかもしれない。 そんなボクが2023年度まででベストの関西のミニシアター王を勝手に決定させていただきました! ドュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルンッ! 出町座さんです! おめでとうございま~す。
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映画自評:情報・ドキュメンタリー映画の編集の在り方について

先達て、あるドキュメンタリー映画を観た。 お気に入りの十三第七芸術劇場でだ。 最近比較的ドキュメンタリー映画を観る率がなぜか高くなっている。NHKの影響もあるのだろうか。NHKがどうもドキュメンタリー推しの様な気がして見る率が高いのだ。 ともかく、ここ数年の映画のジャンル的にドキュメンタリー映画の率が増えてきている。本でもルポタージュ的な現代ものをよく読むし、年代的な影響もあるのかもしれない。 従って、ドキュメンタリー映画を観る目がやや肥えてきたきもする。自意識過剰かもしれないが。多分そうだろうが。
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映画自評:映画として「正欲」はボクに合わなかった

誰にも理解してもらえない男女が初めて理解合う相手と出会え、模擬的に抱き合うことから、本当に「抱きしめる」ということを理解する感動的なシーンがある。 後半になってこのような良いシーンが所々あるのがこの映画の評価のいいポイントなのかと思うが、ボクとしては大テーマが伝えきれていない、深堀されていないというのが大不満だった。残念!