元々見るつもりリストに入っていなかった。SNSでの評判が上がってくるにつれ関心を抱いたのだ。SNSは時に関心のなかった人を引き付ける「吉」と出る場合と呼んでしまったがために逆効果を産む場合がある。それが今回だ。
「正欲」絶賛派は読まない方がいいかもしれないし、以降はネタバレだ。
2時間以上上映されるわけなので、良いところももちろんあった。
テーマ的に関心があったので結果的に観に行くことを決めたのだが、フェティシズム自体の掘り下げが浅いのでイマイチ当人たちの苦悩が伝わらない。俳優の今後か何かに遠慮するくらいなら初めから別の俳優を採用した方がいいと思う。思い切りが悪いところ。偉そうなことを言うと編集カットもイランと思われるシーンの思い切りが悪いところが散見。(上から目線でゴメン)
片や、女子大生役の方は存在感抜群。苦悩が見えたし、そんな人が良くいたのも知っている。ダンサー役の役者さんの正面目線の言葉少なの演技も良かった。稲垣氏、新垣氏もネームバリューがありながらも演じ切っていたと思う。そう、役者さんたちではそんなに文句はないのだ。
せっかく誰も正面から取り入れていない問題を有名俳優を使って映画を作るんだから、その手の路で苦悩している人たちに少しでも活路を広げるため、問題提起するためには、もっと掘り下げ苦悩や広さ、その世界を知らしめないといけないと思うのだ。
焦点を当てるという点では、子どもユーチューバーの問題は中途半端限りない。映画全体の中であれだけ時間を使っておきながら、「正欲」との関連性においてどれだけ必要性があったのか。
子どもとネット犯罪
子どもと大人の性犯罪
それと、
フェティシズム
を全部を世間同様ごちゃ混ぜにして問題提起して映画にしたら、それこそ見る側も混乱するに決まっている。映画を作る側はせめて交通整理する気持ちを持って映画を作ってもらわないと。
誰にも理解してもらえない男女が初めて理解合う相手と出会え、模擬的に抱き合うことから、本当に「抱きしめる」ということを理解する感動的なシーンがある。
後半になってこのような良いシーンが所々あるのがこの映画の評価のいいポイントなのかと思うが、ボクとしては大テーマが伝えきれていない、深堀されていないというのが大不満だった。残念!
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