読書は、時と場所を選んで同時に複数を読むタイプの人間だが、この本を読みだしてからは早く最期まで読み切りたいとの思いから他の本を一旦置いてこの本を読み切ってしまった。
一時はウイグル人の強制収容所での拷問、洗脳がニュースとなって世界を賑わせていたが、ここ最近はとんと聞かなくなってきた。勿論、あの中国が反省し、止めたなんて思いはしなかったが、どうなっているのか心配ではあった。
新疆ウイグル地区には個人的な思い入れがあり、大昔の話だがチョモランマトレッキングを計画した際、普通のルート入山では面白くないと思い、中国経由ラサからのチョモランマ入山を考えていたのだ。その際、折角だからウイグル地区も巡ってからのラサ→チョモランマと言うのが理想だったのだが、ラサでクーデターがあったとのことで中国側からの入山が不可能となり、断念し普通にネパール側から入ったという経緯があった。
以来、あの辺りはボクにとっての憧れの地であるのだ。だからこそ、ずっと着目し、その後も日本でウイグル人の方と出会った時もその方の穏やかな人柄を知っているからこそ、この本で書かれているようなウイグル人ジュノサイドを知ると心の底からの怒りが沸き上がってくる。
文庫本の「帯」では
究極の監視社会!中国での驚愕の真実
AIによる“犯罪者候補”のあぶりだし
とある。間違いではないが、「甘い」!
独裁国家による民族ジュノサイドである。
昔の戦争では分かりやすい暴力によるジュノサイドが主流であったが(今もあるが)、中国のそれはAIを活用した独裁国家にとって体のいいジュノサイドなのだ。
迫害を受けているウイグル人の元教授はかつて授業でテクノロジーについて
これからのテクノロジーが世界を変えるだろう、と僕は言いました。誰も表現の自由を止めることはできない、自由を求める人々を止めることをできない、と。(中略)
よりよい世界がかならず待っていると彼らに約束したんです。
と、講義の中で述べたことがあるそうだ。
それが今や全く違う使われ方をして、自らの民族を苦しめているという。
「元教授」が間違っているわけではない。独裁者が悪いのだ。
なお全く背景をご存じない方のためにGeminiに解説を依頼したら、
概要
中国新疆ウイグル自治区では、ウイグル人に対する監視社会とジェノサイドの疑いが指摘されています。中国政府はこれらの疑惑を否定していますが、様々な証拠から人権侵害が行われている可能性が高いと考えられています。
問題点
大規模監視・収容:中国政府は新疆に広範な監視網を構築し、数十万人のウイグル人を収容施設に拘束していると推定されています。
強制労働:ウイグル人は綿花畑や工場などで強制労働を強いられているという報告があります。
文化的弾圧:モスクなどの宗教施設破壊、ウイグル語教育禁止、ウイグル女性への強制結婚など、ウイグル文化の根絶が図られているとされています。中国政府の主張
中国政府は、収容施設は職業訓練所であり、その他の措置はテロ対策のために行われていると主張しています。
国際社会の反応
アメリカ、EU諸国などは新疆における状況に懸念を表明し、中国政府関係者への制裁や独立調査の要求を行っています。
結論
新疆における状況は複雑かつ深刻です。中国政府によるウイグル人への人権侵害の疑いは根強く、独立調査の実施とウイグル人の権利保護が求められています。
翻って、これは他国、中国だけの問題だろうか。
監視社会と言う問題が。
犯罪抑制と言う体のいい言葉の裏腹に個人情報管理、個人情報監視と言う二次的な目的をもって使われる可能性があるのではないだろうか。
実際、使われているのではないだろうか。
この「note」であっても表現の自由は担保されているが、ただしその人の発言傾向がひっそりと蓄積されその人の人柄なり、その人の行動予測なりが「今後」予測されていくのではないだろうか。
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