「正人」の趣味関心

「正人」の日記

映画自評:「愛に乱暴」はタイトルだけが乱暴で内容は言うほど乱暴ではない。

監督のキャスト選出は秀逸である。 役どころにピタリとハマる役者さんたちが素晴らしい。 役者さんの演技力と監督のキャスティング力の賜物がこの映画の成果と言えると思う。 幸せな生活を送っているはずの主婦が徐々に壊れてくのは、それぞれの「思い通り」に行かなかった生活に小さな歪みが徐々に入り次第に大きくなって修正が利かなくなってしまい、その「うまくいっていない現実」を認めようとしないことで取り返しのつかない結果を招いてしまう。 でもこれは、ごくごく一般家庭の一般主婦にも起こりうる日常の愛の事件だろう。
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映画自評:「Chime」は聞えたのか、聞くのか。黒沢監督が仕掛ける平和な日常への問いかけ。

黒沢清監督の「chime」が密かに人気がある様なので観に行ってきた。 「映画の中の三大怖いものを詰め込んだ」と監督自身が語る今作の具体的に何が三つに当たるか知らずに観たが、「怖い」の定義は人それぞれで、程度も人それぞれなのだが、一般的には日常生活にはあり得ないもの。 その垣根を如何に映画の中で自然と思えるように越えられるかが監督の手腕かと。 (上から目線で言ってみました。w ゴメンナサイ。) そのキーワードが、 「それはリアルなのか、妄想なのか。」
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映画自評:『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』は我こそは日蔭者でありながらも世の貢献者だと思う人に観てもらいたい映画だ

『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』をテアトル梅田で観てきた。 感慨深いいい映画だった。世の多くの人に観てもらいたい。 タイトルは必ずしもニッキー・ホプキンスの人生全てを言い表せてはいないが、特徴的な部分の一つだ。
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映画自評:「箱男」は鑑賞後も心に何かを残し続ける。感想2回目。

ま、どんな映画もそうだけれどね。 言いたいのは、心にズシーンと形容しがたい「何か」が居座り続け、問いを発するのだ。こういった映画は困ったものだ。(誉め言葉) バカなので鑑賞後すぐに感想を書いても思ったこと感じたことをその時に全部は書き切れていない。後々ベッドに潜り込んだ時にフト疑問が頭をよぎる。
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映画自評:安部公房は現代を見越して書いていたのか「箱男」。それとも永遠の普遍的問題なのだろうか。

発達障害の子がクールダウンするスペースをこの映画のことを観て思い出した。 この箱はそれ以外でも需要があるかもしれない。映画の宣伝で映画館にソックリな「箱」が置いてあったが、強度も良さそうだし売れるかもしれない。自分で作れ、って話だけれど「強度」を出す工夫はメンドくさそう。 部屋に一つパーソナルスペースがさらにあってもいいかな。w
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映画自評:映画「マミー」は単純に「冤罪ドキュメンタリーモノ」というジャンル分けでいいのだろうか。

正直な感想として批判を恐れずに書こうと思う。 「司法」という観点から言えば、「あの件については冤罪かもしれない」が、だからと言って映画全編を観てあの夫婦の犯罪の歴史を知った挙句、全くの「白」とは思えない。「お金にならないからやらない」が理由になるとは思えないからだ。 カメラの前でシャーシャーと犯罪の過去を述べる下りは呆れてものが言えない。誰がそんな人物の言うことを信じるのだろうか。 そして、監督までもが不当な方法で撮影をしようとする…。 ?(疑問)
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映画自評:監督の編集手腕が光る「めくらやなぎと眠る女」。春樹ワールド存分に味わえる村上作品初アニメ。

ハルキニストじゃないけど、村上春樹作品は大体読んでいる。 ジョン・アーヴィングのような物語を構築する作家がすきなのだ。 だから、村上春樹作品も出版されたら読んでいる。 さて、今回は短編集が映画となった、となったという情報だけで観に行った。後は海外制作のアニメ、ってことくらい。でも、 観終わったのちに監督さんの編集能力に大変な感心をした次第。まるで一つの作品かのようになっているではないか。
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映画自評:「ロイヤルホテル」は私的感情が入ったままで見るとストレスが溜まる

かの名映画『テルマ&ルイーズ』は女性が二人スクリーンを背にして出て行ってエンディング(イメージとして)だったが、『ロイヤルホテル』では差別、偏見、過去からの因習との戦い、とに決別しスクリーンに二人して向かってエンディングを迎えた。 映画や読書、芸術に対する姿勢は第三者的な視点がまず必要で、それに個人的な感想や思い入れを交えるのが楽しいんだが、この「ロイヤルホテル」はなぜかチクチクといら立ちを感じながら観ていて、まさに怒りの沸点の違いにイラついた感じとなっていた。
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映画自評:もしかして「コカイン・ベア」は素材を活かし切ったのかも

人間が何らかの理由で飛行機から投げ落としたコカインを野生のクマが喰って狂暴化。いつも以上の力を発揮し人間の力では抑制できなくなって困ってしまった、 「だから麻薬は止めましょう」 と内容を勝手に想像していた。 ところがところが、映画が始まってすぐに「この映画は実話に基づくもの」といきなり想像とは違う世界に連れていかれた。 実話に近いとな?
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読書感想:意見は色々あろうが、人生で一度は初期の宇能鴻一郎と出会っておこう、と提言する。

人の好みは様々である。 だから、余計なことは言わない方がいい。そんなことは分かっている。 それであっても、 余計であっても、 ツイツイ人に言いたくなることがあるものもあるものだ。 そんな出会いがつい最近ボクにもあったからだ。