映画自評:『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』は我こそは日蔭者でありながらも世の貢献者だと思う人に観てもらいたい映画だ

「正人」の日記

『セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男』をテアトル梅田で観てきた。
感慨深いいい映画だった。世の多くの人に観てもらいたい。
タイトルは必ずしもニッキー・ホプキンスの人生全てを言い表せてはいないが、特徴的な部分の一つだ。

ニッキー・ホプキンスをご存じだろうか。

ボクはその名を知らなかった。この映画を一緒に観ようと先輩が誘ってくれなかったら多分この映画を見なかったかもしれない。
しかし、映画が始まり音楽が流れ、あの有名な曲のメロディーも彼のピアノで彼がセッションの中でつくったモノだと、あの曲も、そしてあの曲も…。
偉大な曲に彼がピアノで関わっていることの多さに、そしてそれらが彼の発想によるものだということに大きな驚きと感動を覚えたのだ。
ボクが好きな曲ばっかりじゃないか…。
今まで何気なく聞いていた好きなピアノの旋律が全てニッキー・ホプキンスだったのだ。
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中でも、ストーンズの
The Rolling Stones – She’s A Rainbow
出だしのピアノの旋律ほとんどがニッキー・ホプキンスのアイデアであるということには衝撃を受けた。

The Rolling Stones – She’s A Rainbow

ビートルズは言わんやロックのほぼ大御所全員が彼とセッションし、彼の手を借り、曲作り、コンサートに挑んでいる。
彼のピアノが入ることにより、曲調がそれまでのロックから厚みやグルーブ感、品格までまるでマジックのように変えてしまう。
マジックではない、
これがニッキー・ホプキンスのセッション「力」なのだ。
そして我々は知っておかなければならない。
よく聴く音楽ヒット曲の成り立ちは往々にして影の下の力持ちさんがいて成り立っているのだ。
ある有名アルバムなど彼の名前さえクレジットされてないという。

先ほどのShe’s A Rainbowや他の曲も彼の存在無くしては成り立たなかった曲の数々がある。なのに彼はあの時代アーティストには重宝され存在を認められたが、我々のような一般人にはその存在の希少性を認識され、金銭的にも見返りや、名誉的にも彼は報われていただろうか。

さて、どんな曲に彼が加わっていたか興味が湧いただろうか。映画を観れば彼の功績が分かる。

彼はクローン病でもはやこの世にはいないが、亡くなった今であっても彼の存在の価値を改めて多くの人に知ってほしいと思う次第だ。



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