そもそも今回は映画館で観るつもりが無かった「首」。だけど映画好きのSNS上で賛否両論が吹き荒れている様子をみて関心を持ち、観る気になった。
以下ネタバレを含む、私見あり。
平日の昼間でそこそこの入り。でも、途中退出者もいた。
上記に書いたように事前評価では流石北野作品と北野作品らしく詳しく解説、分析を試みる人もいたし、一方で駄作と切り捨てる人もいた。
さて、ボクの正直な感想はというと、別に見なくても良かったかな、というところ。北野作品なのでスタッフ、役者さんなど周りを囲む人たちもしっかりしている人もいるので、どこかを評価しようと思えばできるので、あとは自分の趣味にあっているかいないかの問題ではないか。
映画監督に限らず、小説家であっても何作も作品があれば、アタリもあればハズレもあり、その中でハズレの中でも評価できるポイントがあったり、アタリの中でもダメな個所があったりするのが常道。
日本人は権威主義的なので、
北野作品だから、
カンヌでいい評価受けたから、
の先入観が先立つことがありがちで、それらを批判すると、逆に批判する人をまた批判するような傾向があり、批判を平等に議論する素地がない。
今作品を「くだらない」と切り捨てている人がいたが、どちらかというとボクは賛同派だ。
監督にアイデアがあっただろうことはうかがえる。だけど、映画全体の流れとして的を絞れ過ぎてなく散漫でメリハリがなかったように見えた。つまり、見ていて怠い。
戦国武将にも迷い、政治的なやり取り、今の政治のような狡さ、それ以上の狡猾さ、昭和前期のヤクザのようなクレイジーさ、そして今まで描かれなかったホモ恋愛。
また、闇で暗躍する人たちの存在。その力。争い、力関係。
ボクが気になった主なテーマは以上だが、観る人によっては他にもあるだろう。それらが多くの登場人物と時代背景と混然となって話が進むわけなので映画一本ではまとまり切れないだろう、というのがボクの見解。
最後までこの映画を観ることができたのは、出演された俳優さんの豪華さゆえかと思う。ただの豪華ではなく、演技として見せる人、ド下手な人と演技での緩急がオモシロかった。
与えられた仕事をやり切ることが役者の仕事だと言わんばかりにやり切った人たちがいたことに感銘を受けた。
なお、巻頭の画は画像生成AIに「北野武の映画作品をイメージした画」というプロンプトの中から選んだ一枚。プロンプト修業がまだまだ足りません。
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