映画感想

「正人」の日記

映画自評:「ロイヤルホテル」は私的感情が入ったままで見るとストレスが溜まる

かの名映画『テルマ&ルイーズ』は女性が二人スクリーンを背にして出て行ってエンディング(イメージとして)だったが、『ロイヤルホテル』では差別、偏見、過去からの因習との戦い、とに決別しスクリーンに二人して向かってエンディングを迎えた。 映画や読書、芸術に対する姿勢は第三者的な視点がまず必要で、それに個人的な感想や思い入れを交えるのが楽しいんだが、この「ロイヤルホテル」はなぜかチクチクといら立ちを感じながら観ていて、まさに怒りの沸点の違いにイラついた感じとなっていた。
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映画自評:もしかして「コカイン・ベア」は素材を活かし切ったのかも

人間が何らかの理由で飛行機から投げ落としたコカインを野生のクマが喰って狂暴化。いつも以上の力を発揮し人間の力では抑制できなくなって困ってしまった、 「だから麻薬は止めましょう」 と内容を勝手に想像していた。 ところがところが、映画が始まってすぐに「この映画は実話に基づくもの」といきなり想像とは違う世界に連れていかれた。 実話に近いとな?
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映画自評:一度観たら不条理設定でもハマる『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

可愛い若い女子二人が最強の殺し屋だった、って設定からしてマンガ的で映画にしたらB級映画確定なんだけれど、それをトコトン突き詰めてやり切ったらむっちゃカッコええ映画、ってのがこの映画の趣旨だろうと。 で、第一弾が良かったのでシリーズ第二弾ができてしまった。(だいぶ前の話) この感想を書く時点で第三弾の公開決定が発表されている。 素晴らしい! 大賞賛である! その「2ベイビー」を最近Amazonプライムで観たので感想を。
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映画自評:「市子」「ある男」「ある行旅死亡人の物語」それぞれの物語で語るべき物語と語りたくない物語と。

自分には潜在意識化に失踪願望的なモノかそれに似たような願望、もしくは出生に関する暗に不安症みたいなものが予てからあるのだろうか…。 つい最近「ある行旅死亡人の物語」という本を読んで感想をUPした。 「ある男」は小説は読んでいて、これを機会にAmazonプライムで映画も観た。 「市子」は上映期間中に観たかったがどうもスケジュールが合わず今回Amazonプライムで見ることが出来たのでこの機会に観ることにした。 自分はどうもこの手のストーリーに惹かれる傾向があるようだ。
「正人」の日記

読書感想:「ある行旅死亡人の物語」を読んで思うところ。オモシロかったが、そこまで立ち入っていいのかどうか疑問。

「ある行旅死亡人の物語」は書店で目立つところに置いていて気にはなっていたが、SNSからもちょくちょく噂を聞くようになったので買って読むことにした。 まず「行旅死亡人」と言う言葉自体聞き慣れないが、 行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは、日本において、行旅中死亡し引き取り手が存在しない死者を指す言葉で、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称でもある。また、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者も行旅死亡人と見なす。「行旅」とあるが、その定義から必ずしも旅行中の死者であるとは限らない。
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映画自評:皆そうやって大人になっていった? 「みなに幸あれ」はホラー映画としてだけで捉えてはダメな映画。

映画館上映中にどうしても見ることが出来ず今までずるずると。ようやくAmazonプライムで見ることが出来た。 「みなに幸あれ」は上映期間中も賛否両論の声をよく聞き、それによってホラー嫌いのボクも好奇心を駆り立てられたのだが、今回鑑賞後改めて皆さんの評価を見ると思いの外低く残念に思った。 といいつつ、ボクも絶賛していいとはいわないが。(どっちやねん!) 感想文を時系列で上手にはかけないが思いつくまま書いていきたい。
「正人」の日記

映画自評:「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」をシネマート心斎橋で観てきた。ドキュメンタリー映画で涙したのは初めてかもしれない。

『帰って来たヨッパライ』の「オラは死んじまっただ~」のフレーズをアホみたいに繰り返していた子ども時代。確かにボクはバカだった。 気に入った曲の気に入ったフレーズなら家族が嫌がる程繰り返し聞いていたボクは、何とか症の疑いがあると今ならキット言われたことだろう。 でもそれほど気に入っていたんだ。 その後、ボクが成長するにつれ何とはなしにあの歌の制作者を知り、その後の活動を知ってはいたが、「知る」だけに止まっていた。
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映画自評:昔からの熱烈ファンであるボクが「プリンス ビューティフル・ストレンジ」を観て正直に思うこと。

まず「ドキュメンタリー映画」として成り立ちが誠意をもってないと思う。 なぜなら、お金を払ってから始めて分かる大切な事実が一番最初に明かされ、そのことで期待していた何%が一気に失われるわけだから。 PRINCEコアファンはそれでもこの映画によって得られる情報があるからいいかもしれない。でも、コアファンでない人にとって、一般的なドキュメンタリー映画を期待して観に行った人にはどれだけ残念な思いをしたことか。 制作者の金儲けに加担してしまったかのような気がして、期待して観に行っってガッカリしてしまった人にはボクが申し訳ない気がしてしまっている。
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映画自評:「あんのこと」を観て、気づかされる日常と非日常のごく僅かな差異。

シネ・リーブル神戸で「あんのこと」を観てきた。 思いの外深く胸に刺さり、「あん」のこと、及びそれにまつわる関連した事柄を考え続けている。 最初に大きな話からすれば、この映画の状況において絶対的な正義とは何だろうか。 刑事は絶対悪だろうか。 記者は絶対正義だろうか。 周りの人たち(傍観者のこと)は何も罪を問われなくていいのだろうか。 見ざる聞かざる言わざる、と言った無関心層は「悪」ではないのだろうか。 そんな疑問が胸をよぎる。
「正人」の日記

映画自評:「ありふれた教室」がありふれてて怖すぎる。教師現職者は観るべし。

まずは教育関係者上層部に見てもらおうか。 否否、感受性が擦り切れているか何も感じないか、「正解」を求めたがるから逆効果になろうか。 そんな映画だ。 現場の教師側からの見解はどうだろう。 これも喧々諤々の所論が出てまとまらない意見の言い出し合いになり、まさに映画のような事態になるだろう。 これこそが「ありふれた」学校の現状なのだろう。 世界どこでも。 そんな映画だ。