観る予定はなかったが評判が良かったので観に行って来た「ラストマイル」。
ナルヘソ。
確かにオモシロかった。
でも、ボクには合わなかった。
以下ネタバレを含む。
そりゃ~何だって相性はありますよね。
「ラストマイル」大好きさんは以下読まない方が精神健康上いいかもしれません。
評判になっていた、ドンデン返しがどうたらでオモシロいところと、下馬評より高い評価を得た、というところにボクは興味を引かれた。
初めから高い評判でドンデン返しもない映画なら全く食指が湧かなかったことだろう。
さて、上記の範疇で評価すればこの映画を観て「合格」となるところだろう。
なのに、観終わった後のスッキリしない感が残るのは何故だろう。
映画の趣旨たる大テーマ
配送においての問題をサスペンスストーリーに乗せて映画にしたという点では大成功。
普段何気なく利用し、ニュースで問題になっているのを知っていながらも他人事のように聞き流していた配送問題が現場では親会社から孫請けまで絡み合った深刻な問題であり、我々も理屈では理解していても現場を見ていないのでその危機感は伝わらなかったのが、一連の流れをストーリーにして見せてもらうことで危機感の何割かを理解できたかと思う。
その中でどこの会社でもあるだろう、会社の掲げる「目標」が目標の達成ためでなく、言葉巧みに会社の利益の享受のために社員を歯車のように働かせる魔法の言葉だった。
なんてことがわから無くなる程洗脳され会社に酷使され尽くす。
残念ながら、日本にあるよくある話だ。
そんなブラック企業下克上ドンデン返しストーリーだから、筋さえ通っていれば人気が出ないわけがない。企画は良かったと思う。
豪華キャストの違和感
メインキャストにおいて特に問題ないというか、むしろ素晴らしいと思う。主演の二人は存在感バッチシで二人とも謎の過去を持っている感を醸し出し、雰囲気がいい。下請け陣も素晴らしい。
一方、宣伝用か、ついでか、違和感を感じる出演者の方々がいた。
作品に深み・広がりが出ると判断したのだろうか。
しかし、ボクには違和感しか感じなかった。
「ラストマイル」という作品の個性の一貫性を保つには如何なものだろうか。
キャスト総勢において高名な方々が出演されていて、大事な場面でスポット出演をされていたが、こういう演出はどうも気が散る。
シナリオ、ストーリーがいいものであれば、そんなものに頼らないようがむしろ良かったと思う。
むしろ邪魔。
制作側からしたら関連作品が同じ制作者だから違和感がないはず、という主張なのかもしれないが。
何が気に入らないの?
満島ひかりさんは大好きな俳優さんの一人だ。
ストーリー、脚本も良かった。
配送問題を浮き彫りにしている点も良かった。
合わなかったら合わないで書いている以上言語化しないといけない。
大好きな満島ひかりさんが主演だし。
よくよく考えてみた。
シェアード・ユニバース・ムービーという新しい映画のスタイルが売りだそうだ。
同じ制作者が異なる作品と世界観を共有しストーリーを作っていくという取り組みだそうだ。
チャレンジすることは何事においてもいいことだと思う。
ただしバランス感覚は必要だし、トライ&エラーは新しいことをやっていくにおいて必然だ。
どうもこの新しいスタイルに違和感を覚え馴染めなかったようだ。
オジサンは。
ゲオ宅配レンタル
そもそも、
ボクは別作品のことをよく知らない。
如何にも誰もがよく知っている風なのに違和感を覚える。
誰もが見ている?
ちょっと自信過剰も過ぎるんじゃないだろうか。
今回も、ちょっと見た感じがするので、慌てて記憶を探って
誰だったっけ?
何だったっけ?
と考えているうちに話がドンドン進んでいった。
このように
皆が知っている俳優という前提
皆が知っている映画、ドラマという前提
が崩れた場合に「同じ世界観」というのは制作者のマスタベーションに化してしまうのだ。
シェアード・ユニバース・ムービーという妄想
ホームページではグッズ販売のタグも用意されていた。
そうそう見ない。
タグを作るなら物流の問題に関するタグを作ればよかったのに。
映画が大ヒットし映画の販促が上手くいくことになれば、物流問題はどうなるのだろう。
こうやって考えてみると、物流問題という出汁から自分たちが考えた新しい商戦「シェアード・ユニバース・ムービー」をどう売り出すかが彼らの関心ごとだったかが浮き彫りになる。
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